鍵屋が開けられないカギ

先日はこんなお客様がいました。

アパートの鍵交換を依頼されました。
お客様が使用していたカギは古いミワのディスクシリンダーでした。

このカギは簡単にピッキングできてしまうカギです。防犯のために交換するのかと思ったのですが、話をきいているとそうではありませんでした。
なんでもお客様の知人が勝手に鍵屋を呼んで開けてもらい侵入していたことが過去にあったのだそうです。
それを防ぐためにカギを交換したいということでした。

そんなことをする鍵屋がいるのかとびっくりしてしまいました。
普通、鍵屋は住んでいる本人と確認できなかったらその家を開けることはまずありません。必ず身元確認をしてからカギを開けることになっています。
それを怠って勝手に人の家を開けるなんて・・・。それはもはや犯罪です。
もし自分がそんなことをされたとしたらすごく嫌だなと考えてしまいました。

お客様の依頼通り、鍵屋でも開けられないようなカギを取り付けることにします。
同じくミワのU9シリンダーをつけることにしました。
このカギはハイセキュリティシリンダーにしては比較的安価ですがよほどすごい鍵屋でないとドリルを使わない限り開けることはできません。
ピッキングで開けるのはまず不可能というカギです。
そしてドリルを使ったとしても破綻するのに時間がかかりますのでかなり防犯性の高いカギです。

それからサムターン回しを防ぐために内側に防犯サムターンを取り付けました。

もっと徹底しようと思ったら郵便受け口から工具が入ってこないように塞いだり、ドアとドア枠の間に隙間ができないようにするなどといった工夫が必要になってきます。

お父さんの金庫

金庫のカギを開けて欲しいという依頼がよくあります。
多いのは暗証番号がわからなくなって開けられないという相談です。
暗証番号を知っていた人が亡くなったり、メモがなくなったりして金庫を開けられなくなってしまうのです。

先日も金庫を開けて欲しいという依頼がありました。
金庫の鍵を持っているのはお父さんだそうですが、現在海外に旅行に行っているということで開けることができないのだそうです。
金庫を調べてみるとピッキングで開けられないタイプのカギでした。
金庫を破壊して開けることになります。
そのことをお客さんに伝えると、お父さんに相談しないとわからないと言われました。

しかたがないので今回は引き上げてまた壊してもいいということになった時には連絡して下さいと告げて立ち去りました。

後日再び連絡がありました。
なんでも海外に出張に行っているお父さんにメールで連絡したところ、古い金庫だから壊してもいいというふうに言われたそうです。

金庫のカギの部分を破壊して無事に必要な書類を取り出すことができました。

お客さんは金庫を新しく買い替えされました。古い金庫は処分ということになりました。

今回のようなケースもありますがよくあるのが亡くなった人の金庫を開けて欲しいという依頼です。
なくなったお通夜の席で金庫を開け無くてはならないという時などもあって、そういう時は結構緊張します。

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